決済データから読み解く10代の消費 (高額消費編)

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決済データから読み解く10代の消費 (高額消費編)

メリハリ消費は10代にも?

ミレニアル世代の中心でもある今の20代は「嫌消費世代」「さとり世代」などと言われ節約傾向にあると言われますが、その次の世代である10代についてはどうでしょうか。 「ゆとり」「さとり」に続く世代として、他人に尽くしコミュニティを広げる「つくし」世代などという言葉もありますが、その消費観や金銭感覚についてはあまり言及がありません。

TesTee Lab(テスティーラボ)が行ったアンケートでは、高校生のお小遣いの利用先として「貯金」という答えが33.3%を占めました。(» 中学生、高校生のお小遣いは月いくら?若年層のお小遣い事情調査!)

これは、一般によく言われる「景気の低迷に伴う将来に対する漠然とした不安」が理由であるという見方もできますが、「メリハリ消費」の流れが10代の中にも生まれている、という見方もできます。

「メリハリ消費」 とは、2014年の消費税増税と値上げを受け、消費者の「節約志向」と「価値志向」の2つが同時に高まって生まれた、「とにかく安いものを買うのではなく好きなものは高くても貯金して買う」という消費スタイルです。(» リサーチ総研 金融経済レポート参照)

実際にこのアンケートの結果には、貯金したお金を「旅行」「ライブ」などに使うという回答もあります。
この記事では、10代が貯めたお金をどこで使うのか、10代の高額消費についてバンドルカードの決済情報を見てみたいと思います。

バンドルカード決済データ 10代の10,000円以上の利用先

「高額消費」を「1回の利用単価が10,000円以上の決済」とします。(10代全体の利用総額の7.5%を高額消費が占めています。)

10,000円以上の利用が多かった4つのジャンルそれぞれの平均利用単価(複数回利用されている利用先)
※データ抽出期間:2017年1月〜11月

これを見ると、旅行関連(航空券や宿泊費など)が値段が高くなるのは当然と言えますが、海外通販がそれ以上に利用単価が高いのがわかります。
海外通販の中でも値段の高い海外ブランドを取り扱っているECサイトの利用が多く、これは10代の中でもファストファッションよりもブランド性や品質などを重視する「価値志向」の考え方の人が一定数いることがわかります。

そして、この4つで一番単価が安いのはチケットですが、ジャンル問わず1万円以上の利用全ての中で最も多い利用先はチケットジャンルの中の「チケットキャンプ」でした。スマホネイティブである若者は無駄なお金を使わないという節約志向の意味でもインターネットを駆使していると言えます。

以前の記事、決済データから読み解く10代の消費(スタバ編)でも取り上げた通り、コンビニでの平均利用単価よりもカフェで使う単価の方がずっと高く、そういった意味でも10代の消費にはメリハリのある面が見受けられます。

このように10代の消費にも節約志向と価値志向の向上が見られます。バブル期、デフレ期とも異なる今の消費スタイルは今後どのように変わっていくのでしょうか。

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Sora Nakahara

作成:2017年12月5日

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